▶ ワキガ保存療法

ワキガ手術をしないでワキガ臭に対処する方法を解説します。
● ワキガは清潔が基本
● ワキガとワキ毛
● ワキガと石鹸
● ワキガと食事
● ワキガとストレス
● ワキガと運動
● ワキガと民間療法
● ワキガと制汗剤

【ワキガは清潔が基本】


ワキガを防ぐには、清潔を心がけるのが基本です。
脇の下を拭く時、殺菌剤(市販の消毒用のエタノールなど)
を含ませたコットンを使用すると、
黄色ブドウ球菌などの常在菌を殺菌するのに効果的です。
ただ、あまりやりすぎると、皮膚を傷めてしまうので注意が必要です。

ワキガは下着にもしみこみやすく、
これが下着からのワキガの臭いとなって発生します。
このため、下着をこまめに替えるなど、下着を清潔にする必要もあります。
下着によっては、消臭効果のあるものも市販されていますし
脇の下に張る、汗取りパッドなどもあります。


【ワキガとワキ毛】


腋毛の処理をして腋に汗などの分泌物が
多量に保持されるのを防ぐことで、常在菌の培地が減り、
汗などの分解量が軽減されて、ワキガ臭も軽減出来ます。
腋毛脱毛に関しても同じことです。
男性の方は難しいかもしれませんが、
女性の方はこまめに処理をすると良いでしょう。

ただし、腋毛の処理、脱毛もワキガ臭の原因である
アポクリン腺に対し直接作用する訳ではないので、
ケアを続ける事が必要になります。


【ワキガと石鹸】


ワキガの臭いが発生するのに細菌の繁殖が関係しています。
ですので、わきの下に細菌が多ければ多い程、
わきがの臭いもひどくなります。当然ですよね。

つまり、逆に細菌の数を減らしてやれば、
わきがの臭いも減っていくということになります。
ワキガ臭が軽い方は殺菌作用のある石鹸などで腋の下を毎日良く洗って、
清潔に保てばある程度わきがの臭いを抑える事が出来ます。

そこで、薬用石鹸など殺菌効果のあるものを使うという手が有ります。
トルマリンを配合したものやハーブを練りこんだものなど
”ワキガに有効”
と言われる石鹸はたくさん市販されています。

わきが対策石鹸を選ぶポイントとしては、
できるだけ制汗作用の高いものを選びます。
これは、皮膚の善玉菌を殺しすぎると、
悪玉菌が繁殖しやすくなるからです。
そして善玉菌のほうが殺菌剤に弱いという傾向があるそうです。

科学的な見解をしますと、ハーブ配合の石けんなどは、
まだ抗菌性分や殺菌性分が有るというのはわかるのですが、

トルマリンなどの銀以外の鉱物が配合されているような石けんが
これら抗菌作用を示すとは到底考えられません。

似非科学の1つである「マイナスイオン」とか連呼していますが、
甚だ疑問です。


どれが一番効果的なのかということは一概に言えませんが、
わきの下を清潔に保ち、制汗効果の高い石鹸を使うことで、
かなりの効果が期待できます。

単にデオドラント剤で外から抑え込んでしまうよりは、
汗腺の周囲を清潔に保つほうが重要だといえます。

そして、洗い方も大切です。
ワキガの人は自分の臭いを気にするあまり、
つい無意識に力を入れて、わきの下を洗ってしまいがちですが、
これは皮膚を傷つけ、皮膚が剥がれ落ちてそれを養分として
雑菌が繁殖する温床となってしまい、
かえって悪臭を発する危険性があります。
やさしく丁寧に洗うようにしましょう。
また、殺菌作用の高い石鹸は皮膚への刺激も強く、
かぶれや湿疹などの原因にもなる場合がありますので注意しましょう。


【ワキガと食事】


動物性タンパク質の多い食べ物を多く摂ると、
皮脂腺の活動を促進してワキガ臭発生の原因になります。
普段の食事にも気をつけましょう。
具体的にはチーズ、乳製品、他に刺激の強い食品
(唐辛子とかニンニクとか)を避け、野菜と魚を多く摂りましょう。
緑黄色野菜に含まれるビタミンAや
ゴマに含まれるビタミンEなどは、ワキガを抑える
といわれています。


【ワキガとストレス】


ストレスもかなりワキガに関わってきます。
余計なストレスを溜めない方がいいのですが、
なかなか現代社会では難しい面も有ります。
潔癖症のように、過剰に自分の体臭、
ワキガを気にする人もいるようですが
このような自分の精神面を見直して考え方を変えるのも
一つの方法と言えるでしょう。

ぶっちゃけて家族や友人に聞いてみて、さほどワキガは臭わない。
と言われれば、あまり気にしすぎることは無いですし、
なかなかワキガが抑えられない。
と感じるのであれば、カウンセリングも含めて
専門医に相談してみるのもいいでしょう。
専門家を受診する事がストレス解消にもつながります。


【ワキガと運動】


ワキガの予防には運動も大切です。
普段から運動をして汗をかく習慣をつけておけば、
いつ汗をかいてもさらっとした汗になります。
普段あまり運動をせず、汗をかかないでいると、
最初にベタベタした老廃物を多く含んだ汗をかいて
ワキガの元になってしまいます。
ワキガの予防のためにも、こまめに運動をしましょう。


【ワキガと民間療法】


医院で外科手術をする前に、
自分で出来るワキガ対策もいろいろとあります。
昔から行われている方法に、南天の葉による療法があります。
南天の葉を集め、洗って水気をとって、
スジを取り除いて一枚ずつ陰干しします。
そして完全に乾燥してからすり鉢で粉末にします。
それを濡らした手のひらに適量取って、わきに擦り込みます。

南天には青酸配糖体
(アーモンドの臭いがする成分で、桃、杏の種にも含まれます)
が含まれていることから、
ニキビや切り傷、唇の割れなどにも効果があるとされています。
その他に、クルミの殻を割って実を取り出し、
薄皮をはがしてすり鉢で細かくすり潰し、
出た油をワキの下部に擦り込むというのも効果があるそうです。

ワキガ対策でいちばん有名なのはミョウバンでしょう。
ミョウバンは水に溶けると酸性になります。
皮膚が酸性であれば、雑菌の繁殖が抑制され、
結果的に臭いが抑制されることになります。

また、ミョウバンは制汗効果があります。
その他、皮膚上で作られた臭いそのものを消臭する作用もあります。
ミョウバンには様々な金属が含まれているので酸化還元反応により
金属消臭がおきたり、
臭い成分の中和による消臭効果が期待できます。

あまり聞かないものですが、イスラエルの博士が発見した
クラヴィンというものがあります。
クラヴィンは、制汗ではなく、臭いの原因となるバクテリアを
中和する能力を持ってるそうです。
このクラヴィンを配合した石鹸などのグッズもいくつか市販されています。
なんでも、臭いの元であるバクテリアを直接中和するので、
プールで泳いだりしも効果が持続すると言われています。


【ワキガと制汗剤】


制汗剤は多くのドラッグストア等で販売されています。
制汗剤というものは、殺菌作用によって、皮膚常在細菌を殺し、
汗などが分解されるの防ぐ事で
臭いの発生も軽減させるものなのですが、これは腋臭臭の原因である、
アポクリン腺に直接作用する訳ではないので
一時的に臭いの発生を抑えるだけのものになります。
あまり効果がなさそうな感じがするかもしれませんが、
わきが臭が軽い人は制汗剤である程度の臭いの発生を
抑えることができます。

また、商品の中にはアルミニウム塩化物
配合された制汗剤もありますが、
アルミニウム塩化物は汗腺に対して直接作用しますので
発汗を抑制する効果も期待できますが
最近ではアルミニウム塩化物配合の制汗剤は
マイナーな商品になってしまっています。
その他にも、制汗剤や抗菌作用のあるクリームなどを
利用するのも一つの手です。

しかし、制汗剤は一度使い始めると、
だんだん使用量が増えてしまう恐れがあるので注意が必要です。
使っても使っても満足出来なくなり、
一日の内に何十回も使ってしまう人もいますが、
これはある意味ノイローゼです。

使っても効果が感じられない場合は、その時点で使用をやめましょう。
制汗剤は使いすぎるとかぶれたり、
色素沈着を引き起こしやすくなってしまいます。
こういったトラブルを防ぐためにも
制汗剤などの使用は最小限に抑えるのが良いと思われます。