▶ わきがの原因は?

ワキガ臭発生の原因はアポクリン腺から分泌される
油性の汗が原因なのですが、
実は、アポクリン腺の分泌物自体は無臭なのだそうです。

皮脂腺から分泌される油性の汗に含まれる脂質は、
肌や毛にのうるおいを与える役目があります。

しかし、その分泌物が分泌されると、
皮脂腺から分泌された脂質やエクリン腺から分泌された
水性の汗などと混ざり、皮膚やワキ毛の
常在細菌(基本的にどこにでもいる菌)によって分解されて、
この分解産物がワキガ臭を発するのです。

また、エクリン腺から出る汗も臭いは無いのですが、
このエクリン腺から出た汗が体から蒸発する時に、
アポクリン腺から出された汗の分解産物の臭い、
すなわちワキガ臭も一緒に拡散されてしまい、
周囲にわきが特有の臭いをふりまき漂わせることになってしまうのです。

しかも、ワキ毛が構造的に汗などを溜め込むので
細菌達は落ち着いて仕事をします。
どんどん分解して臭い物質を産生して行くのです。
このようにワキガの脇の下では悪循環が巻き起こっているのです。
大変です。

さらに、この悪循環を加速させる病気(というか体質)があります。
それは、わきが体質の人がなりやすい
腋窩多汗症(えきかたかんしょう)です。
これは脇の汗を非常によくかくという病気です。
この場合、ワキガ臭はさらに強い物になります。

理由は、想像していただければ分かると思いますが、
脇がずっと湿っている状態では
細菌が増えやすい環境になっているのです。
その湿気に加え、皮脂腺から分泌される脂質を養分として
細菌はどんどん増えてワキガ臭も強力になっていくのです。

ワキガの原因となるのは他にも、体質的なものがあります。
ワキガになりやすい体質かどうかは幼少期にはまだはっきり分かりません。
なぜなら、アポクリン腺が成長して活動を始めるのは
第二次性徴がみられる頃ですから。
ですので、一般的にワキガ臭が発生するのは思春期以降になります。

幼少期にはまだ“はっきり”分からないといったのは、
ワキガは遺伝が関係するので、ある程度の可能性は分かるということです。